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全国保健師長会とは

ごあいさつ



会長写真

令和6年度 全国保健師長会会長 前田香

 このたび、松本珠実会長から全国保健師長会の会長を引き継ぎました、福島県保健福祉部健康づくり推進課の前田香と申します。就任に当たりまして、ごあいさつをさせていただきます。

【令和6年能登半島地震へのお見舞い】
 このたびの地震でお亡くなりになられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。また、被災者の健康を守るため、発災直後から健康支援活動に御尽力されている多くの仲間たちに深く敬意を表します。

 地震発生から3か月が経過しました。しかし、今もなお多くの被災者の方々が避難生活を強いられており、避難生活の長期化による様々な健康への影響が懸念され、健康を守るための対策が重要となっております。

  全国保健師長会としては、東日本大震災をはじめ、毎年、全国各地で発生している大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症対策の経験も活かしながら、被災地における中長期的な保健活動への協力はもとより、被災地の保健師の皆さまが孤独などを感じることがないよう、情緒的サポートを含めたネットワークづくりも進めていきたいと考えております。

【令和6年度の活動方針】
 令和6年度は新たな各種保健医療福祉計画が開始され、また、多くの市町村においては、こども家庭センターにおける妊産婦や子ども、子育て家庭に対する支援が始動されるほか、精神保健に課題を抱え、地域で潜在化している「本当は支援を必要としている方」への支援にも対峙することとなります。また、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025年以降さらに減少が見込まれ、高齢化が急速に進む都市部や人口が減少する過疎地など、地域によって抱える課題が異なり、これまで以上に地域の実状に応じた地域保健活動の推進が求められております。

 全国保健師長会の今年度の活動テーマは、「変わりゆく地域の健康課題に対峙する公衆衛生看護活動の展開~『誰ひとり取り残されない』保健師活動の転換期を仲間とともに乗り越える~」です。
活動方針の4つの柱、「地域保健活動の推進にかかるマネジメント機能の発揮に向けた取組の推進」、「地域診断と科学的根拠に基づく公衆衛生看護活動及び人材育成の推進」、「自治体間のネットワークの構築やブロック、支部における効果的な活動の推進」、「地域の公衆衛生看護活動の推進に向けた会からの情報発信の促進」を基に、時代の要請に応える保健師活動を追求し、保健師の未来を見据えて、効果的な保健師人材とそれを支える体制の強化、健康格差の解消を目指した保健活動の推進、新たな手法による保健活動の横展開を図ってまいります。

 また、地域における健康危機事例が頻発している状況において、保健師リーダーのつながりの重要性が増しております。全国保健師長会では、昨年度の地域保健総合推進事業として、「健康危機管理における保健活動を推進する統括保健師間ネットワーク構築に関する調査事業」に取り組みました。その結果、統括保健師間のネットワーク構築の成果として、健康危機発生時の迅速な協力の授受や情報共有、平時における人材育成や健康危機の備え等に関する情報共有や検討の推進などが示されました。今年度新たに、全国保健師長会の特別委員会として「統括保健師間のネットワーク推進特別委員会」を設置しました。今後は、本委員会を中心に、継続的で実効性のある統括保健師間のネットワークづくりも進めてまいります。

【抱負について】
 全国保健師長会は、保健師を取り巻く制度の大きな変化を背景に、保健師リーダーが一丸となり地域住民の健康づくりに寄与し、もってわが国公衆衛生の向上に資することを目的に昭和54年3月に発足しております。

 私といたしましても、初代会長である遠藤セツ様(福島県)をはじめとする歴代会長が築き上げられた会の輪を広げ、つながりを強化することで、地域住民の健康づくりに貢献できるよう、理事・役員、会員の皆さまと共に考え、意見を出し合い、協力し合いながら取り組んでまいります。

 会員の皆さま並びに関係者の皆さま、引き続き、ご支援、ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 



副会長写真

副会長 岡本理恵

 このたび、副会長に就任いたしました、名古屋市の岡本理恵と申します。
令和6年能登半島地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また、被災地域で支援活動に尽力する会員、保健師の皆さまに心から敬意を表します。

 改めて、保健師が果たすべき役割の重要性と、地域社会においての存在価値が一層浮き彫りになったと感じています。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類へと移行され、新型コロナウイルス感染症との共存に向けて新たなフェーズを迎えた一年でした。

 国においては、新興・再興感染症等の健康危機発生時に備え、保健・医療提供体制が確保されるよう関連法令の改正が行われ、あわせて地域保健法に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」には、統括保健師等の総合的なマネジメントを担う保健師を配置することが明記されました。これにより、各自治体での統括保健師の配置の促進及び役割発揮が一層求められています。

 また、今年度からは、新たな国民健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」が始まります。この新しい施策は、社会環境の質の向上を基盤として、その上で個人の行動と健康状態の改善を通して、最終的に健康寿命の延伸と健康格差の縮小を獲得していこうとするもので、「誰一人取り残さない」健康づくりの観点が示されています。まさに、行政で働く保健師が中心となり、関係職種が連携し多種多様なネットワークを構築し、地域住民・関係機関を巻き込んだ健康づくり施策を展開していくときだと感じています。

 コロナ禍を経て、保健師活動にも日常が戻ってきました。この間の経験を踏まえて、従来のやり方に固執するのではなく、新しい視点や気づきを取り入れながら、地域住民の健康と安心を守るための保健師活動を展開していくためには、保健師の人材確保はもちろんですが、人材の定着と効果的な人材育成が不可欠だと考えます。

  全国の仲間が様々な知見や経験を共有し、ともに学びあう機会を増やしていくことで、全国の保健師が連携し、より強固なネットワークを築いていくことができたらと考えています。全国の保健師がこれからも誇りと自信をもって生き生きと活動できるよう、副会長として微力ながら精一杯努力してまいります。

 会員の皆さまのご指導、ご協力をいただきますようどうぞよろしくお願いいたします。



副会長写真

副会長 西本美和

 昨年の総会において、副会長に再選していただき、ありがとうございます。

  この3年あまり、全国保健師長会の活動も思うように進めることが出来ない時期もありましたが、新型コロナウイルス感染症も5類見直しの方向性が示され、ここから新たなステージとして活動を進めていかなければと身の引き締まる思いです。

  令和5年度全国保健師長会の活動テーマは、「変わりゆく地域の健康課題に対峙する公衆衛生看護活動の展開~「誰ひとり取り残されない」保健師活動の転換期を仲間とともに乗り越える~」です。全国保健師長会では、昨年夏にコロナ対応をテーマにオンラインワールド・カフェを開催しました。参加者から、「同じ立場の保健師と話が出来てよかった。」「保健師同士で話ができて癒された。」といった感想をいただきました。

  今年度も、統括やリーダー保健師のつながりを作り、保健師がその役割を存分に発揮できるよう努力して参りますので、どうぞ会員のみなさまのお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。



副会長写真

副会長 河西あかね

 新型コロナウイルス感染症への対応ではこの3年間、全国の保健師が国民の健康と命を守るために、公衆衛生看護を基盤とした保健師の専門性を駆使し、総力をあげて取組んできました。心から感謝申し上げます。

 国において、感染症法上の類型の変更方針が示されましたが、これまで誰も経験したことのない「災害」といえる緊張状態の中で、この3年間働き続けてきたということを、私たち保健師自身も今一度自覚し、自身や周囲の職員の心身の不調に耳を傾け、メンタルヘルスケア対策に取組む必要があると感じています。

  この感染症の流行の影で、生活基盤の脆弱性や人々の孤立による、健康格差の拡大や精神保健、差別意識の拡がり等の課題も浮き彫りになりました。保健師としては、引き続き、人権を尊重し、人々や関係機関との信頼関係を築きながら、自ら納得して予防的な行動が取れるよう支援していくことが重要であると思います。

  私たち行政に働く保健師の役割は、所属部署の方針を踏まえながら公衆衛生看護活動を実践し、住民や関係機関とともに健康なまちづくりを推進していくことであり、これは今回の健康危機管理においても共通するということを経験しました。

  一方で、昨年度の地域保健推進事業で市町村部会が中心に取組んだ、全国1,788自治体の人事部門担当者、統括保健師、新期採用保健師を対象とした実態調査で、新規採用保健師の満足度に着目して分析した結果、プリセプターの配置や振り返り面談などの組織的な人材育成体制の構築状況と、ひとり一人の保健師に寄り添い承認する職場風土が有意に関連することが明らかになりました。合わせて、小規模自治体では大規模自治体に比べ、きめ細やかな人材育成に取り組んでいるもののその課題は大きく、都道府県や県型保健所等の一層の支援が必要であるという結果となりました。

  こういったこれまでの保健師に係る調査結果等を踏まえ、全国の自治体保健師が今後の公衆衛生看護活動や人材育成の取組を着実に推進できる様、そして保健師として誇りを持ち、生き生きと活動できる様、副会長として引き続き力を尽くしていきたいと思います。

  ご指導の程どうぞよろしくお願いします。



全国保健師長会事務局

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